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「日本修士論文賞」とは

・設立の経緯

 本賞の再開を望む沢山のご要望ありがとうございます。本賞は2002年10月に、三重大学出版会は学術情報の公開を進めることで研究・教育を活性化し、今後大きく変化する大学における研究・教育の展開を支援することを希望して、株式会社「三重大学出版会」を立ち上げました。
 一方、研究・教育活動を出版資源とする大学出版会の使命は、単に専門書を出版するだけでなく、若い研究者・学生たちに望ましい人間や組織や社会のビジョンとともに研究・教育に対する社会的な要請を伝えていくことにあると考えます。
 私どもはこの二つのことを、具体的に展開する方策として、全国全大学の修士課程及び博士前期課程の大学院生を対象とした奨励賞を新設しました。

・設立の趣旨

 研究者の養成機関として発達した日本の大学院が、実質的で活力に富んだ研究機関となるためには、大学院を人材と情報が頻繁に往来する「インター・カレッジ」として機能させる必要があると考えられます。
 また、その大学院では長期的視野から望ましい人間や組織や社会のビジョンとともに研究・教育が進展することが望まれています。その点から考えると、大学院でもっとも重要な時期は、研究活動の礎石が据えられる修士課程及び博士前期課程(以下、修士課程と略します)であり、この時期が充実したものであることが学術・研究の隆盛に直結すると考えます。
 また近年、大学院を設置する大学が急速に増え、その大学院で社会人特別選抜枠を設けたこともあって、実社会で培われた問題意識をもとに旺盛な研究活動を展開する大学院生の数も増えてきました。そこからは、溌剌として刺激的な研究成果が次々に誕生しています。
 今後も急増していく大学院生のレベルの向上と、社会人大学院生の旺盛な研究意欲とを視野に入れるときに、長期的で独創的な視点を持った彼らの研究意欲を継続的に刺激し、幅広い視野からインセンティブを与え、また研究成果の目標値を示すものとして、この賞を位置付けました。

・仕組みと期待する効果

  • 日本語の論文、過去4年以内の執筆で、論文の加筆修正は可。
  • 大学院修士課程の修士論文を対象とする賞はこれまでありませんでした。この賞を設けることで大学院修士課程在籍者の研究意欲を継続的に刺激します。
  • これまで修士論文は、学内資料として研究室に収庫されるものが大部分でした。そこに、優秀な論文を公募し、選抜し、出版する新しい仕組みを組み込むことで、優れた修士論文に公表の機会を提供します。
  • この賞が継続的に実施されて修士論文に出版の機会が開かれることで、大学院生に、幅広い視野から実施されるインセンティブを与えます。
  • この賞により修士論文に出版の機会が開かれることで、大学院生に、研究成果を図書として公表する際の目標値を示すことができます。
  • 大学院の普及によって知的充足は一般社会人の基本的欲求となっています。そのような需要環境に対しては、新しいスタイルでの知のプレゼンターを発掘する機会を提供します。
  • この賞が普遍的位置を獲得するときは、大学院生や学部学生に対して、研究活動を通じて実践される社会参加の実例や指針を提供します。

・実施概要と構成

  • 表彰作の選定にあたっては、三重大学出版会の設立の趣旨に鑑み、次の点を重視します。

    ・題材がもつインパクトや臨場性の豊かさ
    ・題材が持つ話題性の高さ
    ・結論がもたらす広範な普及力
    ・出版物らしい説得力の強さ
  • 審査領域や審査態度が偏らぬように、研究者と名声を得たその道のプロ・文化人が特長を生かして審査に当たります。
  • 独創的な思考で頭角を現した修士論文については、過去にさかのぼって紹介することも、この事業に含みます。
  • 日本修士論文賞の募集・選抜・出版の実施は三重大学出版会が主管します。公正で幅広い支持を得るために、外部審査員を選定し、審査を依頼することがあります。
  • この賞の公募は毎年行う予定です。出版に適した優秀作は制作・販売して、図書の普及に努めます。

 
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