反核都市の論理 三重大学出版会   

カタログ カタログに戻る
 


反核都市の論理

ー<ヒロシマ>という記憶の戦争

安藤裕子著

本体価格¥2000+税     ISBN978-4-903866-03-1 C3039

 

   
 



 
            目次

出版に当たってのまえがき	
序章	

第一章 アメリカにおける「ヒロシマ」のパーセプション	
第一節 核をめぐる論議の変遷	
	原爆投下をめぐって	
	冷戦構造の中で	
	冷戦終結からテロの時代へ	
第二節 マスメディアが伝える「ヒロシマ」	
	原爆投下直後	
	核の時代における論調の変遷	
第三節 世論調査に見る「ヒロシマ」	
	核をめぐる世論調査の概要	
	核をめぐる世論の変遷	
第四節 アメリカの教科書が教える「ヒロシマ」	
	アメリカの歴史教科書の特徴	
	アメリカの教科書における「ヒロシマ」	

第二章 広島が伝えてきたメッセージ	
第一節 広島の平和活動	
	広島市長	
	被爆者団体	
	地元メディア	
	その他	112
第二節 広島の平和思想	
	基盤となるメッセージ	
	メッセージの深化と拡大	
第三節 世界の中の「ヒロシマ」	
	欧州反核活動と「ヒロシマ」	
	アジアから見た「ヒロシマ」	
	国際連合と「ヒロシマ」	

第三章 〈事例研究〉スミソニアン論争	
第一節 スミソニアンの目指したもの	
第二節 すれ違いの争点	
	退役軍人の反発	
	マスメディアの同調	
	政府議会からの圧力	
	歴史家、平和運動家による擁護	
	そして中止へ	
第三節 スミソニアン論争が提起した課題	
	原爆展をめぐるその後	
	アメリカに芽生えた新たな動き	
	広島が得た教訓と新たな活動	
終章 「ヒロシマ」は二一世紀に何をどう伝えていくのか	
あとがき	
一次資料	
参考文献	
参考ウェブサイト	
参考映像資料	
  

作者:

   

要旨 氏名:編集部

       

思想を深化するということ

 
1章はアメリカ、ワシントンで起きたスミソニアン論争の梗概。
2章は、世界の都市連合によって反核・世界平和を実現しようとした代々の広島市長やヒロシマ
 研究者、マスコミ関係者の思索の深まりが主軸になる。
 被爆体験の精密調査と意味の掘り下げから出発する思想の深化が推し進められる。社会全体を
 一挙に一瞬に根こそぎ破壊する<絶滅性>兵器、人間関係を瞬間に焼き尽くし人間を何も思う
 事が出来ない虚無に陥れる<絶望性>兵器、そういう特殊絶滅兵器としての原爆の実態を踏ま
 えた「反核」の論理が語られる。
3章では1994ー1995年にワシントンのスミソニアン博物館で企画された爆撃機エノラ・ ゲイの展
 示企画をめぐって起きた「原爆投下は正しかった」というアメリカ人のかたくなとも言える核爆
 弾投下意識を浮き彫りにする。
 そこから戦争加害者としての「日本」を発言の根本に据えない限り、ヒロシマの原爆災害のすさ
 まじさはアメリカ国民にも東南アジア国民にも浸透しないというヒロシマの新しいパーセプショ
 ンのスタンスが確認される。
4章では、そのパーセプションにしたがって強化され、世界4000都市以上の市長が加盟する世界平
 和市長会議などを通じて、「国家に依存しない核廃絶運動を展開する」ヒロシマの遠大な努力を
 紹介する。

 
 
      

タイトル:

                     氏名:               )

  
            

書評

              
                    
 


 
カタログに戻る
 

(C)三重大学出版会,2007
All rights reserved.